コスプレの完成度は衣装に大きく左右される
コスプレを完成させていく中で衣装がその完成度に占める割合は非常に大きく、そこに予算や手間をかけるほどに仕上がりは美しく、その完成度は高くなります。
ですが、コストは出来るだけ抑えたいのも、多くのコスプレイヤーが思うところです。
元々「コスプレ(コスチュームプレイ)」の語源が、「衣装だけが立派で演技が未熟な大根役者」というものでしたから、衣装にポイントを当てている言葉であるということが判るかと思います。
つまりは、衣装抜きではコスプレは語れない、ということでもあるのです。
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巷で販売されている高価なコスプレ衣装は、それだけ手間ヒマをかけて細部の作り込みも凝って製作されており、綺麗なシルエットを作り上げます。予算があるのであれば、最初からこういった15,000円以上の衣装をお勧めいたします。
というのも、最近では中国製でも人件費が高騰しているために、ある程度まともな仕上がりの衣装を求めるとその金額(10,000円以上)になってしまうからです。
クオリティがある程度高い中国製衣装と、生地や細部などを省いてコストダウンした日本製衣装とでそれほど価格が変わらなくなってきています。その上で、中国製には輸入関税と高めの送料(EMS便)が加算され、品質にバラつきがあることがウィークポイントとなります。
安いコスプレ衣装って大丈夫なの?
安い衣装は、これからコスプレを始めようというレイヤー初心者にとっては、最も気になる存在でもあります。
検索で探しますと、5,000~6,000円程度からのコスプレ衣装が販売されています。独自のコスプレショップ通販サイトを立ち上げていたり、Amazon、楽天、Yahoo!ショッピングなどでも見つける事が可能です。
ここで注意をして欲しいのは、上記のショッピングモールではAmazonや楽天、Yahoo!が商品の品質やショップ対応を保証しているわけではないということです。これらショッピングモールの運営会社は場所を貸しているだけであり、ある一定の条件さえ満たせば誰でも販売が可能になります。
この場合、店舗や会社の存在を確認することは無く(公共料金の請求書や登記簿といった書類の提出は無し)、取り扱う商品の仕入れ先や品質チェックなどもありません。
つまりは、ショッピングモールのネームバリューとコスプレ衣装の品質はイコールでは無いということに注意をしてください。
購入商品がSONYやPanasonicといった一般的なメーカーが作っている商品であれば、同じ商品なのでショップにより価格に違いがあっても商品品質には大きな違いはありません。
ところが、コスプレ衣装に関しては製作しているメーカー(縫製工場)はまちまちで、同じキャラクターで検索をして出て来た衣装でもその品質はピンからキリなのです。
低価格のコスプレ衣装に関しては、Amazonや楽天のネームバリューは信じてはいけない、ということになるわけですが、さらにその価格からショッピングモールへの販売手数料が引かれますから、生地代や縫製技術料といった原価はいくらになるでしょうか?ということを考えなければなりません。
一般的に衣料品の原価は30%程度とされていますから、1500円程度のパーツ代であなたなら衣装を作れますか?という話になります。
低価格衣装で注意すべきトラブル4つ
一概に低価格のコスプレ衣装が全部ダメだというものではありませんが、経験が浅く情報が十分ではない初心者にはトラブルの危険性が高いことから、あまりお薦めはできないということになります。
どちらかと言えば、低価格衣装は自分で改造や改良を入れられる中・上級者向きなのです。
コスプレ上級者ほど予算は潤沢で、逆に初心者や社会経験の浅い高校生ほど低価格に収めたいでしょうから、矛盾する話ではあるのですが。
では、どのようなトラブル例があるのでしょうか
- 届いた衣装がサンプル写真とは全然違う
サンプル撮影用にはベテランが気合いを入れて製作していますが、量産は技術が劣る下の人(賃金が安い地方からの出稼ぎ労働者)が行います。ここで仕上がりに大きな差が生まれることがあります。 - 注文から待てど暮らせど衣装が届かない
中国系ショップなどでは、ラインナップが多いと全ての在庫を持たないため、受注生産になるところがあります。製作には時間がかかることから、受注してから製作に2~3週間がかかることがあります。さらに配送で国際便を使うため、5~10日前後を要します。
中国では夏休みに年末年始の休暇、他にも国慶節(10月)や春節(2月)、日本のGWに合わせた長期休暇が2ヶ月おきくらいと頻繁にあります。この間の仕事が止まります。 - 衣類としてとても着用できない粗末な仕上がりだった
中国のコスプレ衣装の中には、型紙を用いずに何となく裁断して何となく縫製した衣装が少なからず存在します。コスプレ以前に、衣類としては着ることができない衣装です。
ベテランコスプレイヤーの中には、これを承知で購入し一度全バラしして、自分で再度縫製して組み上げる人がいます。生地代の材料費にムダが出ない、自分用サイズに直したり、平面的な衣装を立体的に直したりと、安いのとは裏腹に上級者向けになるのです。 - 汚れが目立つ、糊の痕がベトベトで汚い
ミシン油の汚れが付いていたり、チャコペンの痕がそのまま残っていたりします。ひどいものになりますと素人製作以下で、ワッペンなどが縫い付けではなく糊で付けられておりベトベトに糊がはみ出ていたりすることがあります。
以上のようなケース、コスプレに関わっていますと、残念ながら1度や2度は誰もが経験していたりします。
誰もが通る道.....の一言では笑って片付けられない問題でもあります。
トラブルに遭わないため購入前にチェックする重要な3点
では、こういったトラブルに遭わないためにはどうするべきでしょうか。
- 返品、交換を約束しているショップで購入する
きちんとした商品を取り扱い、あるいは商品チェックが行き届いている場合には、コスプレ衣装の返品率は極めてゼロに近くなります。返品をうたっていても年に1回あるかないかでごく僅かなので、経営に与える影響は軽微なのです。 - ショップへ問い合わせを行い、丁寧さとレスポンスを確認する
どのくらいの商品知識を持っているかでコスプレ衣装に対する熱意が判りますし、メールのレスポンスが遅いと商品が届くのにも時間がかかる傾向にあります。 - 在庫を持たない受注生産の場合には、納期を確認する
生産にどのくらいの期間がかかるのか、いつまでに発送されるのかなどを確認してから注文する必要があります。
残念なことながら、こういった対策である程度の自衛はできますが、これで完全に防げるという対策はありません。
本来であれば全てのコスプレ衣装で版権申請を行えるようにして、出版社等からの管理下に置くべきなのですが、現状で今はそういうシステムにはなっていません。きちんと管理下にあれば、少なくても騙しの衣装ショップやトラブルがあったショップに対しては版権は許諾されませんので、判別がつくようになるわけです。
安いモノにはそれなりに何かしらの理由がある、ということを覚えておきましょう。その上で、自己責任で安い衣装の購入は行う必要があります。
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