ハロウィンが終わりクリスマス商戦へ
11月1日の朝、ハロウィンが終わると街は一気にクリスマスへと向かいます。
TVCFもクリスマスへ向けてのものが目立つようになりますし、また年末イルミネーションの宣伝も見かけるようになっていきます。
ちなみにキリスト教圏では11月1日は「万聖節 ( All Saints' Day )」でカトリック諸聖人の祝日となります。
前日の10月31日はいわゆる”イヴ”、次の日はお休みですから深夜まで騒いでいても大丈夫なのですね。
で・す・が、日本の暦ではキリスト教は関係が無いことから、水曜日の翌日は普通に平日で皆さん学校や仕事へと出掛けたことでしょう。
きっと翌日は1日中、眠かったに違いありません。
渋谷の街でハロウィーン仮装・コスプレで人が集まり始めたのは、5年くらい前の2013年前後からだと思われます。
これは、ちょうど池袋でハロウィンイベントが開催され始めた頃と一致します。
おそらくは、この豊島区が後援するイベントに触発される形で、渋谷へ若者が集まり始めたものと考えられます。(ニュースで都知事がコスプレする姿が報道されています)
池袋ハロウィン(池ハロ)の場合、実行委員会形式で運営されており地元の商工会議所や商店街が参画しています。
この部分が、誰も主催者がいない渋谷のハロウィン騒ぎとの大きな違いで、渋谷はコントロールが効かなくなっているわけです。
渋谷区が区民の税金9,000万円を投入
渋谷ハロウィンに集まってくる人の大半は渋谷区民ではない区外の人達、さらには東京都民ではない近郊の人達も多くいます。
そこへ渋谷区民の税金や、東京都民の税金によって警備や清掃が行われるのはどうなんだ!?という意見もあります。
税金を投入するだけの税収のリターンがあればそれでも理解は出来るのでしょうが、この日の渋谷のお店では軒並み売り上げが激減、早終いするお店も多くあると言われています。
このため渋谷の商店街では、このハロウィーンの夜を歓迎していない向きもあるようです。
実際に店舗を覗きますと、路上の人混みの喧騒とは大きく異なり、店内は閑散としているお店が多いことに気付きます。
お客さんが入っているのは、コンビニとMEGAドンキくらいです。
それでも路上の人数からすれば圧倒的にお店に入る人は少なく、みんな路上で何をするでもなく思い思いにスマホで写真を撮りながら時間を過ごしているわけです。
そのような状況からか、渋谷区長からは来年の渋谷ハロウィンでは有料にするとか、代々木公園へ誘導するとかといった話が出ておりますが、"渋谷の街"でハロウィンを楽しむことに意味を見いだしていることを無視して誘導などが出来るはずがありません。
誰が代々木公園へ行きたいのでしょうか?
それ以前に、渋谷区民の税金9000万円がこの大騒ぎのドコに使われているのかの収支をはっきりと述べるべきだと思います。
公にされているのは「かぼちゃのゴミ袋」と「無料更衣室」とのことですが、カボチャのゴミ袋なんかどこにも見かけませんでしたし、更衣室の案内も渋谷区のウェブサイトのドコを探してもありません。
といいますか、更衣室を提供しているのは大半がMEGAドンキや東京メトロなど渋谷区役所以外の企業で、参加人数のわりには区役所の動きが全く見えてきません。
観光コンテンツ化する渋谷ハロウィン
そんな多くの問題を抱えている渋谷ハロウィンですが、海外でもその騒ぎっぷりは大々的に報道されており、世界的に知られるようにもなっています。
そうなりますと、ニューヨークの年越しカウントダウンのような、街のイベントとして海外からの観光客を呼び込める観光コンテンツとしても成長してきているのです。
実際に今年の渋谷の街では、参加している2~3割が外国人であるような印象を受けました。
中国語や韓国語が普通に飛び交い、欧米系の人達が日本のアニメキャラクターのコスプレをしている姿を多く見かけています。
このように、このハロウィンの時期を狙い休暇を取り、観光で日本へやって来る外国人も多いということです。
また、今年2018年の渋谷ハロウィンの特徴としましては、仮装・コスプレをしていない私服の人が多かったようにも感じます。
昨年のハロウィンでは、仕事帰りのスーツなどで群衆の中に入りますと、逆に浮いていて恥ずかしくもあったのです。
これは、渋谷の仮装・コスプレを見に来て撮影する一般客が増えているということを意味しています。
つまりは、渋谷ハロウィンが観光化しているのです。
10月最週末の土日から31日の月末までにハロウィン関係で渋谷へは100万人が集まると言われており、これだけの集客能力があるわけですからそれを生かすも殺すも地元商店街の人達次第であり、この時期の売り上げが減るとぼやいているだけではなく、売り上げにつなげるような知恵を出す必要があるかと思います。
他の閑散としているシャッター通り商店街から見れば、羨ましい限りで贅沢な悩みとなるでしょう。