同人誌サークルの東展示棟が使えない
2019年の夏コミC96以降、2020年の東京オリンピックが終わるまで、コミケ開催はどうなるのでしょうか?
東京ビッグサイトは、築地の選手村をはじめとして周囲をオリンピック競技施設で囲まれていることからも、国際放送メディアセンター(IBC/MPC)が設置されます。
これが、最も大きなスペースを必要とする同人誌サークルが使用している東展示棟(東1~東6ホール)に設置されることから、東館が全面的に使えなくなるわけです。
代わりに、西展示棟(企業ブース)の奥に南展示棟を現在建設中で、2019年7月から稼動を始めるとアナウンスされています。
ここは、これまでは「西棟屋外臨時駐車場・屋外展示場」と呼ばれていた場所であり、以前は駐車場があったスペースでコミケではコスプレエリアになっていた時期もあります。
この駐車場は、合同中古車展示会などのイベントやスーパーカーイベントなどで、展示車が置かれるなどで利用されていました。また、東京モーターショーでは、試乗スペースとして利用されていた場所です。
今とは比較にならないくらいにスペースにも余裕があり、スカスカなのが判ります。
近年ではこの駐車場スペースが使えなくなり、代わりに防災公園をコスプレエリアとして使用するようになりました。
この西展示棟(西1~4ホール/2フロア)と、「西棟屋外臨時駐車場・屋外展示場」の跡地に建設中の南展示棟(南1~4ホール/2フロア)で、東展示棟に配置していたサークルを収容しようということです。
ちなみにこの南展示棟は、東京オリンピック終了以降も恒久的に常設展示館となります。
これでも、従来の東展示棟に収容していたサークル数は収容しきれず、75%しかカバーできないということです。
企業ブースは青海展示棟へ
では、これまでは西展示棟に配置され、購買の待機列が屋上へと並んでいた企業ブースは、どこへ行くのでしょうか?
こちらは、東京テレポート駅前に仮設で建設中の青海展示棟へ移動すると発表されています。
ビッグサイトからは徒歩20分(直線距離で1.5km)の距離、入場待機列の最後尾が延びていた「夢の大橋」よりお台場(ガンダム)側です。
2019年4月の開業に向けて、現在東京テレポート駅のバスロータリーの横に建設中で出来上がりつつあります。
向かいにはパレットタウンがあり、観光客も多い場所です。
ちなみに、字が似ている「青海(あおうみ)」と「青梅(おうめ)」を検索で間違えないようにしましょう。過去にアイドルで、お台場のイベントへ出演するのに本当に間違えた人がいるようです。
「青梅(おうめ)」に海はありません、東西の横に長い東京都の西の端へ連れて行かれます。「青海(あおうみ)」は東京の東の端です。
企業ブースがこちらに移動してきます。ここは「P8青海東臨時駐車場」だった場所です。
このため、1日で企業ブースとサークルへ行きたい場合には、この間1.5km(約20分)を歩いて移動しなければならないということになります。
人気サークルで、午前中にも早々に完売してしまうような同人誌と競合するような場合には、どちらかを諦めなければならないケースも出てくるかもしれません。
また、ここは駅前でもあることから周辺にスペースがあまりありません。入場列を並べる十分なスペースがあるのかが、心配になります。
小池都知事は、「臨時施設で対応します」と自信満々に答えていましたが、コミケの集客力はその予想を超えている可能性が高いのでした。
リストバンドの導入
もう一つの大きな変更点が、4日間開催となることで警備費用などの負担が増えることから、この経費負担を一般参加者に求めるというものです。
これにより、今までは一般参加者の入場料は無料(同人誌を購入することで、サークル参加費の一部を負担していた)でしたが、リストバンドを購入するということで有料になるということになります。
開催会場が有明と青海の2箇所に分かれるということも、入場が有料となるのであればリストバンドをしていればどちらにも入れるということになります。
あっ!?でもコスプレをしていると、撮影にはジャマですよね。
リストバンドは
- 開催日ごとに色が異なる
- 前売りで各日のばら売りを行う
- 当日販売を行い、翌日分以降の販売も会場で行う
- 冊子版カタログには全日分(4本/各色)が付属する
- DVD-ROMカタログ、Webカタログには付属しない
- 1日分の価格は調整中(2018年12月現在)
- サークル参加者も装着(費用負担無し)
といったようなところが、現時点(2018年12月)で決まっています。
今後、1日分のリストバンドの価格や販売形態などが決められていくことになります。
リストバンドも1本当たりは安い物ですが、まとまれば相当なコスト増となりますし、販売の手間も増えるわけですから準備会としては痛し痒しではないでしょうか。
そして、入場が有料になることによって、C95では57万人の来場者がどのくらい減るのか、というのが注目になります。
来場者が減れば、混雑の緩和に繋がり時間の有効活用、そして動きやすくもなります。多くの一般参加者からは、概ね好意的に受け止められているようです。
コスプレイヤーのリストバンドはどうなる
また、コスプレイヤーも施設の利用料の一部として更衣室利用料(1,000円/day)を負担しています。
そこへさらなる費用負担増により参加するコスプレイヤーが減るのは盛り上がりにも欠けますし、マスコミに対して注目のコンテンツが減るのもコミケ準備会としては望むところではないかと思います。
(コスプレイヤーの参加者が減れば、更衣室の混雑は軽減されるかもですが)
このためコスプレイヤーに関しては、サークル参加者同様にリストバンドを更衣室利用料に混ぜて欲しいところではあります。
コミケ準備会ではC95終了後のアンケートを募集しておりますので、Q18の「提案」に書き込んでみてはいかがでしょうか。意見が多ければ、検討してもらえるかもしれません。
コミックマーケット95 コスプレイヤー/撮影者向けアンケート
(受付は2019年1月17日23:59まで/終了)
でも、リストバンドは撮影時に写り込んでしまうのは、ジャマですよねぇ!?
腕を露出する衣装、キャラクターですと目立ってしまいます。
そのあたりも考えてもらえると、良いのですけども。
ワンフェスなどでは登録シールを荷物へ貼り付けることができますが、荷物に付けたのでは荷物を受け渡せば他の人も入場できてしまいますから、やはり本人に取り付ける必要があるわけです。
2020年の夏コミはGWへ移動
2020年の夏コミ、C98を通常通りの時期に開催するとしますと、8月のオリンピック開催の真っ只中になります。巨大イベント同士の衝突は、何が起きるか予測不能となります。
このため、東京都ではGWのビッグサイトを特別に空けて対応するとのことです。これだけを見ても、コミケは特別な存在になっているということですね。
開催時期以外の詳細は、まだ決定していない部分がほとんどですので、追加の発表を待つ形となっています。
本記事は、2018年12月現在の"コミケ準備会"及び"東京ビッグサイト"の発表に基づいて製作しております。
2020年までのコミケット オリンピックでこれからどうなる!?(コミックマーケット公式)
南展示棟・青海展示棟に関する更新について(東京ビッグサイト)
今後、これらの情報は変更になったり新しく決まることも多くありますので、最新情報は各公式サイトでご確認をお願いいたします。
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