警察官風のコスプレをすると捕まるのでしょうか
ハロウィンなどでよく見かけるコスプレに、アメリカンポリス風があります。
東急ハンズやドンキホーテのコスプレコーナーや、Amazonや楽天などのコスプレ衣装の通販ショップでも、これらのポリス風衣装を5,000円以下の安価で購入することができます。
それだけ気軽に手に入る警察官風のコスプレ衣装、ではどこまで警察官などに似せたコスプレが可能なのでしょうか。
実在する警察官や消防官、自衛官などのコスプレをしますと、軽犯罪法第一条第十五号に抵触して拘留または科料が課せられます。これは、海外の警察官などを真似ても同様です。
実は、この「軽犯罪法第一条第十五号」は、日本で最も刑の軽い犯罪とも言われています。拘留は1日〜30日未満、過料は1,000円〜1万円未満となります。
警視庁では過去に1件だけ逮捕したことがあるそうですが、これがコスプレが原因かどうかまでは公表されていません。
ということは、ハロウィンやコスプレイベントなどで警察官風のコスプレをしているだけでは、検挙までには至らないということになります。もっとも、日本の警察官風のコスプレは警備との区別がつかなくなる恐れから、コスプレイベントでは規約で禁止されているケースがほとんどではありますが。
警察官を装い、他の犯罪(オレオレ詐欺など)に関係していなければ、多くの場合は黙認されるということです。あとは、イベント規約のように警備上で本物と誤認される恐れのある場合には、現場の警察官の判断により口頭で注意されることはあるかもしれません。
そういう意味もあって、警察官"風"のコスプレ衣装は普通に通販でも販売されており、この販売されている衣装であればコスプレをしても問題は無いということです。完全にOUTである場合には、販売元に指導が入る形となります。
ココに注意
販売されている警察官風衣装の中には、かなり本物に似せて製作されている衣装も見受けられます。そういった衣装の場合、「誤認する恐れ」がある可能性がありますので、公開の場でコスプレをした際には違法になると思われます。もしそのような衣装でコスプレをしたい場合には、イベント主催者へ確認することをお勧めいたします。
また、警察官の本物の制服であっても、所有しているだけでは罪にはならないということです。あくまでも着用して周囲に誤認させなければ問題は無いということです。
警察官の制服を着ても問題のない3つのケース
似た服を着用しても、一般人の信用・信頼が損なわれるおそれがない場合には法律違反にはなりません。つまりは、その服を着た者が警察官でないことが容易に判る場合には、この軽犯罪法には該当しないことになります。
- 有名人(=警察官ではないと判る)などが1日署長などイベントで着用する
- 誰の目にも触れない宅コス
- 撮影現場など明らかに本物の警察官ではないと判る状況
そうですよね、ドラマを撮影する際にはレプリカの衣装を着て警察官役を演じるわけですから、これが法律違反になってしまいますと映画やドラマの撮影も屋外ではできないことになってしまいます。
3の「撮影現場」と同様に、クローズドした建物内のコスプレイベント会場で警察官のコスプレをしていれば、明らかにコスプレだと判り本物と誤認することはないのではないか…と一瞬考えますが、クローズドされていても一般の人が出入りできる以上は公共の場であること、本物の警察官が入ってくることもあることから、誤認する可能性はあるということになりNGとなります。
つまりは、どのように解釈をしても上記1),2),3)のケース以外では、ホンモノそっくりの警察官のコスプレを公の場で行うのは難しいということになるわけです。
コスプレイベントの主催者が提示している参加規約には、たいていの場合「警察官」「消防官」「自衛官」といった公職の制服に似せたコスプレは制限していることが多く、NGであることが明記されています。
はっきりと明記されていなくても、「法律の範囲内で」などの記載があれば、摩擦を避ける形で遠回しに規制をかけています。(自分で常識的に判断してね、ということ)
パトカーや白バイを真似することは?
コスプレをしていますと次は小道具にも凝ってみたいと思うようになり、行き着く先は警察車両も真似たいと思うようになります。
よく質問掲示板に、パトカーや白バイを真似して製作し、公道を走ってもよいのかという質問が上がることがあります。警官のコスプレと同様に、これらの警察車両マニアも存在します。
ネット上では、車両を「白黒パンダ」に色分けしたらダメなどの意見がありますが、そうしますと某警備会社の車両はOUTとなってしまいます。自治体が運用する青色(灯)防犯パトカー(通称:青パト)は、警察署への申請と防犯講習が義務付けられて、使用を許可されています。
他にも、「○○県警の表示があるとダメ」とか「赤色灯が回らない構造ならOK」など真偽が不明な情報が飛び交っています。
実際のところ、警察車両に似せた車両を製作すること自体、法律的には問題は無いようで、ドラマで使用する劇用車などがあるわけです。(ちゃんとナンバーが取得されていて公道を走ることができます)
ただしこの劇用車は、撮影現場へはパトランプは隠した状態で移動、「○○県警」などはカッティングシートで現場で製作するようになっています。
つまりは、こちらも一般公道では"誤認されないよう"にしている、ということになります。
このあたりもコスプレと同様、これはダメここまではOKというような明確に線引きできるような基準は無い模様で、それを見た現場の警察官の判断で「誤認」されるようであれば口頭で注意されるようです。
日本のパトカーが白黒で塗り分けられている理由
余談ながら、なぜ日本の警察車両は白黒パンダなのでしょうか?
これも、よく質問事項に上がる問いです。
海外では青や赤など、カラフルなパトカーが多い中で。
これは、第二次世界大戦終戦後の1950年頃、それまではコストの関係から白オンリーだった警察車両でしたが、警視庁がアメリカの警察を真似て白黒に塗り分けたのが最初とのことです。
上下の半分にして下半分を黒にしたのは、当時の日本国内の道路はまだ未舗装の場所が多く(舗装率13.6%)、泥ハネで下半分が汚れていたことから汚れても認識が出来るようにとのことでした。
この白黒パンダカラーが、1955年に全国で統一されます。
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